CASE STUDY

「AIに何をさせればいいかわからない」を解く|株式会社あて 第2回AI研修レポート

株式会社あて

  • セミナー

第1回研修後のアンケートで、参加者の悩みとして上位に挙がったのは「業務に組み込む具体的な方法がわからない」でした。

第2回は、その答えとして『業務棚卸し』から始まりました。日常業務を作業単位まで分解し、AI活用のインパクトが大きい業務を絞り込むワークから、自社の施工事例をAIに読み込ませて提案資料の骨格が立ち上がる瞬間まで体験する、120分の研修をレポートします。


開催概要

・日時:2026年5月7日(木)13:00〜15:00(120分)

・主催:株式会社あて

・形式:対面(画面共有のため全員Google Meetにも参加)

・講師:柏野 真吾(株式会社AI-Brain 代表取締役社長)/喜多 辰徳(株式会社AI-Brain 取締役副社長)

・テーマ:AI業界の最新動向、Gemを活用した業務棚卸し実践編

・回数:全12回プログラムの第2回

・使用ツール:NotebookLM、ChatGPT(Images 2.0)、Gemini(Gem機能)


第1回の宿題と、第2回が始まる前の温度感

第1回研修の後に実施したアンケートでは、11名中7名が満足度の最高評価をつけました。一方で、AI活用の障壁として挙がった声には共通したテーマがありました。「ハルシネーション(誤答)への対応・チェックの手間」「情報漏洩やセキュリティへの懸念」、そして「業務に組み込むための具体的な方法がわからない」。

なかでも「業務に組み込む方法がわからない」は、AIを触ってみた人ほどぶつかる壁です。便利そうなツールを試してみた。手相占いもNotebookLMも面白かった。でも、明日からの自分の業務のどこに、どう差し込めばいいのか。そこが見えないと、研修で得た熱量は日常に戻った瞬間に冷めていきます。

第2回のテーマ「業務棚卸し実践編」は、この問いに正面から答える設計になっていました。


AIのIQはすでに140を超えた

研修の前半は、柏野からAIモデルの最新動向の共有から始まりました。

人間の平均IQは100、いわゆる「天才ライン」とされるのが140です。2026年4月末時点の公開IQテストでは、主要なAIモデルの多くが140を超えるスコアを記録しています。4月16日にリリースされたばかりのClaude Opus 4.7も、その水準に到達しました。

「頭のいい相手に何かを頼むときって、伝え方を変えますよね。これだけ知能が高くなったAIに対しても同じです」と柏野は説明しました。

第1回研修で扱った「型」か「会話」かというプロンプトのスタイル論も、この文脈で改めて意味を持ちます。AIが優秀になるほど、こちら側の「指示の仕方」がアウトプットの質を決める比重が増していく。モデルがアップデートされるたびに、最適な使い方も変わっていきます。

参加者の多くがメインで使っているGeminiも例外ではありません。バージョンが上がるたびに、得意な指示の出し方が変化していきます。


業務棚卸しワーク:3ステップで「AIに任せる仕事」を選び抜く

ここからが第2回の中心、喜多が進行する業務棚卸しのワークショップです。

第1回研修の最後に、社長は「個人で試し、部署で共有し、会社の力にする」という3段階のステップを示しました。第2回は、その「個人で試す」をやみくもに続けるのではなく、自分の業務全体を俯瞰したうえで「どこから手をつけると効果が大きいか」を見極めるための時間です。

ワークは3つのステップで進みました。研修中に実施したのはSTEP1とSTEP2、STEP3は次回までの宿題です。

STEP1:日常業務を作業単位で書き出す

まずは自分が日々こなしている業務を、できるだけ具体的な作業単位に分解して書き出します。所要時間も併せて記入することで、自分が何にどれだけ時間を使っているかが可視化されます。

漠然と「営業」「事務作業」と書くのではなく、「見積書の作成」「現場への指示書作成」「お客様への進捗連絡」といったレベルまで分解するのがポイントです。粒度が細かいほど、後のステップでAI活用の判断がしやすくなります。

STEP2:AI活用インパクトの大きい業務をピックアップ

書き出した業務の中から、AI活用によって大きな改善効果が見込めそうな業務を選び出します。所要時間が長く、定型的で、繰り返し発生する業務ほど、AI化のインパクトは大きくなります。

ここで重要なのは、「AIで何ができるか」から考えるのではなく、「自分の業務で時間を取られているもの」から逆算することです。技術ありきではなく業務ありきで候補を絞り込むことで、研修後すぐに試せる実践的なリストになります。

STEP3:重要度×緊急度マトリクスで仕分ける(次回までの宿題)

ピックアップした業務を、重要度と緊急度の2軸で仕分けます。「自分しかできない仕事」「スタッフに任せる仕事」「AIに任せる仕事」「そもそも削減する仕事」の4分類に振り分けることで、時間の使い方を再設計します。このステップは各自の業務に持ち帰って取り組む宿題としました。

「業務棚卸しは、AIを使うためにやるんじゃなくて、自分の時間の使い方を取り戻すためにやるんです。AIはその手段の一つに過ぎません」というのが、ワークを進める上での基本姿勢でした。


自社の施工事例をAIに読み込ませてみる(デモ)

ワークのあとは、業務棚卸しの考え方をどう実装に落とすかのイメージとして、その場で2つのデモを行いました。

ひとつはNotebookLMの応用です。第1回でも紹介した、指定したソースだけを参照することでハルシネーションを抑えられるツールですが、今回は株式会社あてのホームページにある施工事例を読み込ませ、「最も多いデザインコンセプトを5点抽出してほしい」と依頼してみました。返ってきたのは「家族と時間を豊かにする空間づくり」「安全性とプライバシーの両立」「植栽とモダンデザインの調和」といった、自社の傾向を言語化した分析結果でした。

もうひとつはChatGPT Images 2.0です。柏野が「施工事例の得意なデザインコンセプトを分析し、提案資料用のイメージを4点作成して」と入力すると、数十秒で4枚の提案イメージと「理想の住まいを彩る2つの顔」というストーリー仕立てのコンセプトが立ち上がりました。提案資料の骨格が、指示一発で形になった瞬間です。

これを見た新家社長から、ファーストプレゼンのスピード感が受注率に直結する、というコメントがありました。施工事例という社内に蓄積された資産が、AIを介して提案力に変換される。業務棚卸しで見つけたAI活用候補が、こんなふうに具体的なアウトプットにつながっていく、というイメージを共有してワークの締めくくりとしました。


参加者の声

研修後のアンケートでは、11名中7名が満足度で最高評価をつけ、平均は5点満点中4.45となりました。「研修が自身のAI活用に役立ったか」という設問でも、11名中7名が最高評価をつけています。

AI活用の障壁としては、第1回に続き「ハルシネーション対応・チェックの手間」が最多となり、「業務に組み込むための具体的な方法がわからない」「情報漏洩やセキュリティへの懸念」が続きました。

自由記述では「議事録がいちばん業務に組み込みやすいと思ったので、社内で模擬プレゼンをしてみます」「作業効率化や素敵なイメージ作成は自分次第で、すぐそこにあると思えた」「人にしかできないところを具体化したい」といった、業務への落とし込みを意識した声が寄せられました。第1回時点の「業務に組み込む方法がわからない」という漠然とした不安から、具体的な活用候補や使い分けの検討へと、参加者の関心が一段進んだことが読み取れます。


第2回を終えて:個人の試行錯誤から、業務設計の議論へ

第1回が「触ってみる」だったとすれば、第2回は「業務に組み込む設計図を描く」回でした。

AIをどう使うかではなく、自分の業務のどこをAIに任せるか。この問いに切り替わったとき、研修は道具の使い方を覚える時間から、自社の働き方そのものを設計し直す時間に変わっていきます。

次回までの宿題は、業務棚卸しの実践です。各自がワークの続きを自分の業務に当てはめ、AI活用の候補を持ち寄ることになります。第1回で社長が語った「発想して、やってみて、駄目だったら元々ないものなんだから別にゼロでもない」という言葉は、第2回でも変わらず研修の根底にありました。

全12回のうち、まだ2回が終わったところです。次回以降、各参加者が業務棚卸しから抽出したAI活用候補をどう実装していくか、引き続きレポートしていきます。


AI研修を社内でどう設計すればいいか、業務棚卸しから一緒に考えてほしい。そんなご相談はいつでも歓迎です。AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。まずはお気軽にご相談ください。

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