CASE STUDY
「AIを鵜呑みにしない」を体で学ぶ|株式会社あて 第4回AI研修レポート
株式会社あて
セミナー
第3回は「議事録という最初の使える型」を手に入れる回でした。第4回は、AIと付き合ううえで欠かせない「鵜呑みにしない」という姿勢を、講師自身の失敗談を通じて体で学ぶ回です。庭木の剪定という日常のひとコマから、現場ですぐ使える自動化アプリ、次のトレンド「AIエージェント」まで。
全12回のちょうど折り返しにあたる、実践への助走の回となりました。
開催概要
・日時:2026年7月2日(木)13:00〜15:00
・主催:株式会社あて
・形式:対面開催
・登壇者:柏野 真吾(株式会社AI-Brain 代表取締役社長)/喜多 辰徳(株式会社AI-Brain 取締役副社長)
・テーマ:AI活用事例と実践的な使い方の紹介 ― ハルシネーションへの注意と、現場で活用できる自動化
・回数:全12回プログラムの第4回
・参加人数:株式会社あて 社員全員(11名)
第3回からの橋渡し ― この1か月のAI活用報告
冒頭は、この1か月で参加者が生成AIを試した事例の共有から始まりました。育児向けの漫画作成や手相占いへの活用など、業務に限らずプライベートでも使ってみたという声が並び、活用の裾野が広がっている様子がうかがえました。
あわせて、Gmailの返信文作成や議事録作成でどれくらいAIを使えているかを挙手で確認したところ、テーマによって3割から7割、なかにはほぼ全員という回答もありました。第3回の「議事録の型」が、実際の業務へ根づき始めていることが見えてきました。
アオダモ剪定の実体験 ― AIを鵜呑みにしないということ
第4回で最初に印象を残したのは、講師自身の失敗談です。庭木「アオダモ」の剪定方法をAIに尋ねたところ、与える情報や質問の仕方によって回答が二転三転したという実体験が共有されました。
同じAIでも伝え方ひとつで答えが変わる。ここに、AIの「ハルシネーション(誤情報)」のリスクが表れています。もっともらしい回答が返ってきても、正しいとは限りません。重要な判断ほど鵜呑みにせず、複数の角度から確認することが欠かせない。
あわせて示されたのが、業務効率化で生まれた時間の使い道です。作業が早く終わった分を、お客様とのコミュニケーションの量を増やすことに振り向ける。時間をつくること自体が目的ではなく、つくった時間を人にしかできないことに使う。その前提を確認して、後半の実践へ進みました。
Google最新機能の紹介 ― 身近なアプリの進化に気づく
続いて、身近なGoogleサービスに加わった新機能が紹介されました。画像の背景削除、YouTube動画の要約・質問応答、会議をその場で要約するGoogle Meetのリアルタイム要約などで、将来的なリアルタイム翻訳への展望にも触れられました。
最新機能をすべて追う必要はありません。ただ、普段使っているアプリが着実に進化していることに気づける状態でいること。それが、あるものを正しく使う土台になります。
その場でアプリ開発デモ「ポジトーク」
続いて、GeminiのCanvas機能を使い、その場でアプリを開発するデモが行われました。題材は「ポジトーク」。ネガティブな言い回しをポジティブな表現へ言い換えるトレーニングアプリです。プログラミングの知識がなくても、やりたいことを言葉で伝えるだけで、動くアプリがその場で立ち上がっていきます。
完成したアプリは、参加者がそれぞれのスマートフォンで試用しました。「こんなものがあれば」というアイデアが目の前で動く画面になって返ってくる、開発の敷居の低さを体験できた時間でした。
GAS×Geminiで実現する「現場で活用できる」自動化
第4回の中心となったのが、Google Apps Script(GAS)とGeminiを組み合わせた現場向けアプリの紹介です。キーワードは「現場で活用できる」。手を動かす現場でそのまま使えることを重視した内容でした。
紹介されたヒアリング支援アプリは、話しかけるだけで内容をその場でテキスト化する音声メモ入力、現場で撮った写真の格納、そしてボタン一つで共通のGoogleドライブの決めたフォルダへ自動保存する仕組みを備えています。あわせて、毎週の勤怠申請リマインド通知の自動化や、打ち合わせ登録時に移動時間を自動算出してカレンダーに反映する事例も共有されました。
進め方のコツは、「エラー画面を見せて直させる」を繰り返すこと。うまくいかない部分をAIに見せて修正させる往復で少しずつ精度を上げていく姿勢は、専門知識がなくても取り入れやすいアプローチです。
生成AI業界の最新動向
後半では、生成AI業界の動きにも触れました。世界の時価総額ランキングの上位にはAIや半導体に関わる米国企業が並び、OpenAIやAnthropicの上場予定、モデルの提供状況が政府の対応も含めて変化していることなど、各社の動向は日々流動的です。
すべてを詳細に追う必要はありませんが、大きな流れが速く動いていることは、活用を考えるうえで知っておきたい前提です。継続的にキャッチアップしていく重要性を確認しました。
次のトレンド「AIエージェント(自律型AI)」
研修の締めくくりとして、喜多 辰徳(株式会社AI-Brain 取締役副社長)が登壇し、次のトレンドである「AIエージェント(自律型AI)」を解説しました。AIエージェントとは、目的を伝えるだけで、そこに至る手順を自ら考えて実行してくれるAIのことです。
一つひとつ指示を出す従来の使い方から、任せて動いてもらう使い方へ。ここで紹介したのが、Claude Codeを用いて自社Webメディアの記事作成・編集を自動化している事例で、Google側でも同様のワークフロー自動化機能が広がっていることに触れました。
目的を伝えるだけで自ら考え実行するAIをどう業務に取り入れるか。それが、これからのAI活用の一つの鍵になります。
参加者の声
研修後のアンケートでは、満足度で最高評価をつけた方が多数を占めました。最も重要だと感じるテーマは「具体的な企業や業務でのAI活用事例」が最多で、「AIの基礎知識・仕組み」への関心も見られました。

Geminiのほかに使ってみたいツールとしては、ChatGPT、Claude、画像・動画生成系ツール、文字起こしツールのNottaやGrokなどが挙がりました。自由記述では、現場アシスタントのAI提案トークについて「知識がない人間でも説明や材料がわかるのは、自分で調べるより時間短縮になる」という手応えの声が寄せられました。
一方で印象的だったのが、「業務効率化は大切だが、目視での直接の確認も大切にしたい」という声です。AIで効率化した先に、人の目や人の手でこそ守れる部分がある。第1回から続く「出力は必ず人が最終確認する」という姿勢と重なる一言でした。
第4回を終えて:折り返しから、実践フェーズへ
第1回が「守り方」、第2回が「業務棚卸し」、第3回が「最初の使える型」だったとすれば、第4回は「AIとの付き合い方の軸を定める」回でした。失敗談で鵜呑みにしないことを確認し、ポジトークや現場向けアプリで「自分でも作れる」実感を持ち、AIエージェントという次の展望まで見渡す。全12回の、ちょうど半分が終わりました。
残り8回は、「聞くだけ」から「自社の業務のどこにAIを活用できるか」を深掘りする実践フェーズへ移っていきます。株式会社あての外構・エクステリア業務にAIを溶け込ませていく歩みを、引き続きレポートしてまいります。
社内でのAI研修を、自社の業務に合わせてどう設計すればいいか。ハルシネーションへの向き合い方から、現場で使える自動化の仕組みづくりまで、ご相談はいつでも歓迎です。AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。まずはお気軽にご相談ください。
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